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国産材とともに歩む理由─森の変化と、つながるものづくり ~「素材」「デザイン」「技術」の調和を職人の視点から~

木の家具

オークヴィレッジは、「素材」「デザイン」「技術」の三つを大事にしながら、人と自然が調和する日本らしい木の文化を受け継ぎ、守ってきました。
その実践で、「素材」において大事にしていることは、「日本の木を使う」ことです。
今回は、職人の視点からオークヴィレッジの「材料」についてご紹介します。

国産材を使ってきた背景

かつての日本の山には、ナラやブナのような広葉樹がしっかり育った、いわゆる“極相林”と呼ばれる成熟した森が広がっていました。
時間をかけて育った木は力強く、美しさと重厚感があり、家具材に生まれ変わってもその存在感は圧倒的で、風格があります。
創業した1974年当時、そんな木の魅力に導かれるように、一本一本の個性を活かした、ナラ材を中心とした家具づくりに邁進してきました。

オークヴィレッジの創業当時

しかし、近年になり、そういった材がだんだんと少なくなって来ました。
戦後、針葉樹の植林を中心とした林業施業によって人工林が増え、効率重視の海外の木材需要拡大の中で、国産広葉樹の利用は限定的ながら、進められてきましたが、いよいよ太く育った材が珍しくなってきたのです。
私たちにとってそのことは、材の変化をとおして、日本の山の状態を肌で感じた、けっこうビックリの出来事でした。

日本の森"

木との向き合い方の変化

そんな流れを受けて、2014年には『Neoプロジェクト』をスタートしました。
この活動は、極相林を育て守ることを大切にし、一方、利用可能な人の暮らしとともに育った里山や遷移林に目を向けて、それぞれの地域にある木を持続可能な資源として活かしていこうという取り組みです。

今では地元だけでなく、全国に広がりはじめ、これまで長く愛され使われる家具にあまり利用されてこなかった材種にも光を当てるなどして、日本の森林と人との架け橋となるように一歩一歩活動しています。

これからのものづくりに向けて

まずは山に入り、地域の木とじっくり向き合う。
そんなプロセスから生まれる家具は、森の中から現れたように自然な佇まいをしています。
「木を伐って、使って、また植える」。
この循環をつないでいくために、私たちができることは、“ただ木を使う”だけじゃなく、“森から発想した、長く愛される家具をつくる”ことです。
多様な樹種に恵まれた国産材は、日本の木の文化の言わば、‘’産みの母‘’
それは“適材適所”の利用で活かされるとても豊かな営みと感じています。

Neoプロジェクトの現場"

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