家具

オークヴィレッジの家具

素材

オークヴィレッジでは国産材にこだわり、広葉樹の無垢材を素材に用いた家具づくりを行っています。 1974年の創業以来変わらない、私たちオークヴィレッジのそのこだわりには、理由があります。

「森を育てるモノづくり」

私たちの目指す目標の一つに、「持続可能な循環型社会の実現」を掲げています。昨今で言うSDGs(持続可能な開発目標)と意義は同じで、これを実現する上で再生可能資源である「木」を有効に活用した家具づくりを是として行ってきました。
木は、光と水と大地があれば、空気や水や大地の森の環境を良化しながら生長します。そして、木を活用する際に木の生長サイクルを考えて適切に用いることで、枯渇することのない循環型素材となり得ます。
私たちが創設時に掲げた、永く使えるモノづくりを目指す『100年かかって育った木は100年使えるモノに』、そして植林・育林活動を見据えた『子ども一人、ドングリ一粒』という理念には、森を育てながらモノをつくっていこう、という想いが込められています。
これからもオークヴィレッジは、「新たな木が育つ時間を超え、長く使えるモノづくりを行うこと」、そして「事業活動による環境への負荷を可能な限り低く抑えること」を大切にしたモノづくりを行ってまいります。

※例示の商品は廃盤や仕様変更を行う場合もございます。

「適材適所」を見極める

日本の無垢の木を使用する上で「適材適所」の考えを大切にしています。木目や色などの表情や、樹種ごとの木質・強度など、それぞれの樹種の特徴を理解し、適材を適所に用いることで、より品質の高い家具づくりが実現できます。
例えば同じナラ材でも、若くて粘り気のある材は椅子の脚に。老齢の古木で希少な木目の板は食器棚の扉の鏡板に。伸びやかで色目が美しい板はテーブルの天板に。このように、オークヴィレッジでは「適材適所」の使い分けをしています。

日本は豊かな森の国

日本は、先進国の中でも有数の森林資源を有する国で、国土の約66%が森林です。また、日本は国土が南北に長く、四季があり、木の種類も豊富です。かたや国内の木質資源の蓄積量は年々増加しており、1960年代と比較すると、現在は約3倍の蓄積量となっています。
家具などに使われる広葉樹原材料は、日本の森林の半分を占める私有林だけで約8億1千万㎥の蓄積がありますが、使用されているのはごくわずかです。現在も日本の森は年間約3%程度の推移で生長をしている一方で、国内森林資源の伐採率は先進国の中でも最低水準であり、使用する木材の多くが輸入材となっています。
日本は世界有数の木材輸入国であり、年間の木材使用量の6割を外国産材に依存しています。広葉樹原材料に至っては約8割が輸入材です。他にも、建築用構造材や紙パルプ原料、発電用木質燃料に至るまで多くを輸入に頼っています。潤沢な森林資源を保有しているにも関わらず、わざわざ石油をたくさん使って海外から輸入しているのが現状です。
日本には豊かな季節があり、気温や湿度の環境が大きく変わります。そんな気候風土に合った家具・木製品をつくる上でも、その土地で育った多種多様な木材を使うことは理にかなっていますので、 オークヴィレッジは、日本の森林環境の保護、地産地消の観点から、これからも積極的に国産材を使用していきたいと考えます。
私たちが取り組む国産材活用事例はこちら
https://www.oakv.co.jp/company/local-woods.html

森と人をつなぐ(地域産材活用)

Mori:toチェアは、木材活用による地域活性を図るため、群馬県みなかみ町(※1)で 自伐型林業(※2)により伐り出されたコナラ材を積極的に用いています。
「森と人を繋ぐイス」というコンセプトを基に、2つの言葉を合わせ「Mori:to(mori+hito=モリート)チェア」と名付けました。 創業以来、持続可能な循環型社会の実現を目指したオークヴィレッジならではの一脚です。
※1 群馬県みなかみ町は、首都圏の水源である利根川上流に位置する町。ユネスコエコパークとして認定されています。
※2 自伐型林業とは、採算性と環境保全の両立を図る持続可能な小規模林業のことです。

Mori:toチェア
Mori:toチェア
座板に蟻桟をおくるオークヴィレッジ独自の構造を採用し、強度を保ちながらも使用する部材を極力少なくしました。
適材適所の材料選びと無駄のない構造により、全て木製であるにも関わらず、全重量が約4kgと、見た目からは意外性を感じるほどの軽さを実現しています。

家具づくりの主な材種

私たちが家具で主に取り扱っている材種は、ナラ、クリ、カバ、ニレ、ブナなどの国産広葉樹です。
それぞれの木の性質を見極めた上で家具づくりを行っています。

自然そのままの風合いを

木の色合いや質感を生かし、木の魅力を引き出す最良の仕上げ方法と考え、植物性オイルや漆塗装の自然素材よる仕上げを施しています。
自然由来の塗料は使い込むことで経年変化による味わいを醸し出すだけではなく、将来にわたり塗り直しが可能で、長くお使いいただけます。


植物性オイル仕上げ

漆塗仕上げ

技術

100年使える家具を目指して

私たちが家具を造るために使用する広葉樹は、日本の森の中で時間をかけて生長したものです。
この貴重な素材を活かし長い年月の使用に耐え得るものにするためには、木の性質についての幅広い理解と高い耐久性を実現する設計や「木組み」などの加工技術が必要です。
それらを踏襲して造られた家具のみが、"100年使える家具"として世代を超えて受け継がれていくものとと考えています。
「木組み」を用いることによりメンテナンスが必要となった場合でも、分解修理や改造が可能になります。完成したのちもこうした加工ができることから、"100年使える家具"ともいえるのです。

家具で用いる主な木組み

蟻桟(ありざん)
蟻桟(ありざん)
テーブルなどの天板などの反りを防ぐための工法です。天板裏に台形の溝を掘り、その溝に蟻桟を送り込みます。板が伸縮しても、天板が蟻桟を滑ることにより伸び縮みは許容しつつ、割れることなく反りを防ぎます。この加工は、手前から奥に向けて微妙な幅の差をつけ、音を聞きながら叩き込むもので、匠の技と勘が求められます。
框組み(かまちぐみ)
框組み(かまちぐみ)
食器棚やサイドボードなどの箱物に利用される工法です。 柱状の構造材(框)をほぞ組みによって組上げます。框組は木の伸縮や反りによる狂いの影響が少ない優れた工法です。
ほぞ組み
ほぞ組み
「ほぞ穴」を「ほぞ」に差し込み、材を接合する工法です。 木造建築にも使われている、最も一般的な木組みの技術です。強固な接合ができ、材のねじれなどを防ぐ効果があります。オークヴィッジでは、テーブルの脚と天板の接続などの強度を求める箇所に、より正確な加工精度を要する「二枚ほぞ」という仕口技術を用いています。

折りたたみ家具の開発

日本の暮らしでは、お布団をたたんで押入れに仕舞うように、家具も「折りたたむ・仕舞う・持ち運ぶ」ことでお部屋を広くするなど空間を機能的に使うことができます。
オークヴィレッジでは、住空間の多目的な活用ができる「折りたたみ」家具の開発に力を入れております。もともと無垢材・木組みの家具といえば、構造が変わらない据置き家具が基本型です。しかし、積み重ねた木工技術を駆使することで、木組みでありながら、最小限の部材構成と木材の適材適所で、簡単に折りたたみできる利便性の高い家具づくりが実現しました。

折りたたみサイドテーブル
折りたたみサイドテーブル
暮らしに合わせて色々な用途でお使いいただけるコンパクトなサイドテーブル。使わないときは簡単に収納できる折りたたみ式で、可動部分も含め、すべて木組みでつくりました。
金物を使わない伝統工法を活かしたオークヴィレッジ独自の折りたたみ構造で、どなたでも簡単に折りたたむことができます。

デザイン

木の魅力を最大限に

デザインは造形的な美しさを追求するという面だけではなく、使い勝手や安全性はもちろんのこと、素材の持つ性質や雰囲気をどのようにかたちに反映させるかも大切な要素です。
そのため、デザインにおいても私たちが目指す「適材適所」のモノ造りの完成をより高め、木のポテンシャルを可能な限り引き出し、魅力ある製品にするためのフォルムやディテールを追求し続けています。

Swallowチェア

エルゴノミクス(人間工学)で得られた知見を基に設計されたSwallowチェア。
笠木部分は、「曲げ木」を大きく施し、人間工学に基づき、さらに立体的に削り出した部材を特徴としています。身体を優しく包み込むような心地よい座り心地のみならず、ツバメ(Swallow)の羽を想わせる緩やかラインが、この椅子の表情を決定づけています。

Mor:toチェア

ウィンザーチェアの様式を踏襲しながらも日本の伝統的な木組みを用い、現代の生活にあわせた座り心地や軽さを実現ました。
背もたれはスピンドル(丸棒)で構成し、シンプルで飽きのこない日常使いの椅子を意識しました。 背には強さとしなりを合わせ持つ、若いコナラ材を使用しています。

kabanoデスク

「kabanoデスク」は、日本の森で育った樺(カバ)の木の若々しい色あいと、きめ細かい質感を活かしたデスク。
まっすぐに伸びる脚は、樺の木のスラリとした立ち姿をイメージしており、斜めのスピンドルは枝を表現しています。 円柱型の4本の脚は、散孔材ならではのスッキリと整然とした雰囲気を醸し出しています。

ホライズンソファ

ホライズン(水平線)のようにまっすぐの「線」と平たい「面」で構成したフラットなフォルムのソファ。
低めの設計により設置する空間を選びず、幅約20cmのアームはサイドテーブルとして使えます。 座面のクッションは硬さを変えた3層構造で、優れた座り心地と耐久性があります。

kabanoデスク
グランドオーク・ソファ

クッションの中の造りから座り心地を追求した本格ソファ。
長時間座っていても疲れにくい設計となっています。
また、意匠のポイントでもある前脚からアーム、背へとつながる木部は飾り台になり、空間の間仕切りとしてもお使いいただけます。