木組み特集として、蟻桟(ありざん)、ほぞ組みに続き、今回は、食器棚やサイドボードなどの箱物に利用される工法である框組み(かまちぐみ)についてご紹介します。
「木組み」は、木のみで部材を組むことで、のちのちメンテナンスが可能であり、”100年使える家具”を目指すうえで最も適した工法です。
- [1] 框組み(かまちぐみ)とは
- [2] 板組みとは
- [3] 目的に応じて選ぶ框組みと板組み
- [4] 100年使える家具を目指して
- [5] 商品情報
框組み(かまちぐみ)とは
框組みとは、本体を構成する部材が板ではなく、柱状の構造材(框)をほぞ組みによって組上げる非常に手の込んだ造りです。
木の伸縮や反りによる狂いの影響が少ない優れた工法です。オークヴィレッジの食器棚は一部の例外を除いて、框組みで造られています。
大型の食器棚となりますと、ほぞの数は優に200を超える数となります。
そんなにたくさんあって間違えないのか、と思われるかもしれませんが、そこは熟練のなせる技、全て頭に入っているのです。
板組みとは
框組み(かまちぐみ)に対する様式として板組みがありますが、框組み(かまちぐみ)がフレームに薄板をはめ込んで構成されているのに対して、
板組みは文字通り板材を組上げています。
目的に応じて選ぶ框組み(かまちぐみ)と板組み
框組み(かまちぐみ)と板組み、どちらが優れているかということではなく、目的に応じて選択すべきことで、どちらも一長一短あるということになります。
意匠上の理由を除いたところで、実用品としての考え方としては、本気で密封を期待するのなら、和服を収納する桐箪笥に代表される板組みとなります。一方、台所に置かれる食器収納ならば、水屋箪笥に代表される框組み(かまちぐみ)ということになります。
框組みは木の狂いにおる影響が少なく、長期間にわたって安定する抽斗、建具の使い心地が期待できるのです。
100年使える家具を目指して
框組み(かまちぐみ)は、オークヴィレッジの食器棚が他と異なる大きな要素のうちの一つなのですが、そこに手間暇をかける理由というのは、きわめて純粋に、100年使えるものを造りたい、という願いが込められています。
オークヴィレッジの食器棚のこだわりは、框組みのほかに、インセット(食器棚本体の内側に、建具や抽斗が収まっている様式)や木目合わせなどまだ様々なこだわりがあり、おそらく、一目ご覧になれば、他と違いを感じていただけるのではないでしょうか。
その他のこだわりは、一度では書ききれないため、またの機会にお話しできればと思います。