• HOME
  • お知らせ
  • 「杢」のはなし・木の中で生きる虎「虎斑(とらふ)」

おしらせ

「杢」のはなし・木の中で生きる虎「虎斑(とらふ)」

虎斑(とらふ)


「寅年」の2022年も残すところわずかとなりました。 「虎の穴」や「虎の巻」など虎を使った言葉はたくさんありますが、実は、木工の世界にも虎に管径する言葉があります。
それが「虎斑(とらふ)」です。 寅年最後のコラムは「虎斑(とらふ)」についてご紹介します。

「虎斑(とらふ)」とは

一言で表すと「虎の体の縞模様に似ている木目」のことです。 木肌に現れる模様は一般的に「杢(もく)」と呼ばれ、その模様の形によって色々な名前が付いています。

「玉杢(たまもく)」、「笹杢(ささもく)」、「葡萄杢(ぶどうもく)」などの比較的想像のしやすいものから、 「鯖杢(さばもく)」、「りぼん杢」など一風変わった名前もあります。 その中で、名前の通り虎の縞模様に似ているのが「虎斑(とらふ)」です。

「虎斑(とらふ)」は、ナラ、カシ、ブナなどのブナ科の木に多く見られます。 木には、柾目板目がありますが、「虎斑(とらふ)」は柾目を横切るような帯状となって現れます。

他の部分とは光沢が異なり、まさに虎の毛のように輝いているのが特徴で、英語では「シルバーグレイン」と呼ばれています。 漆を塗るとその銀色は金色に輝きを変え、より深い味わいを見せてくれます。

「虎斑(とらふ)」の例
「虎斑(とらふ)」の例

「虎斑(とらふ)」を活かした
家具造り

オークヴィレッジのお客様にも、「虎斑(とらふ)」に絞ったあつらえ家具(オーダー家具)をご注文くださる方がたくさんいらっしゃいました。 そんな時は、ベテラン材料職人の腕の見せ所。出来上がりの姿を想像し、最も美しく「虎斑(とらふ)」が現れるような材料を選んでいます。

漆を塗ると、虎の縞模様が一層際立ちます。

様々な箇所にある
身近な「杢(もく)」

身近なところでも、ナラなどの版がでる木はいろいろな家具や什器に使われていますので、興味を持って眺めて、みるとあちこちで「虎斑(とらふ)」などの杢目を見つけることができます。

杢目には一つとしておなじものがありません。それは、一本一本の木の生き方を表しているからです。 あなたの周りの無垢の木の家具や、暮らしの木製品から、様々な表情の「杢(もく)」を探してみませんか。

⼀覧へ戻る