
古くから日本に伝わる、桃の節句と端午の節句。それぞれの行事に込められた文化を、見立て遊びのかたちで日常に取り入れられるようにしたのが、『節句のつみき』です。
伝統と遊びが自然に溶け合う、新しいおもちゃが誕生しました。企画・開発に携わった視点から、この商品がどのようにして生まれたのかをご紹介します。
- [1] 木工と遊びのプロが手を組んで
- [2] 『節句のつみき』の遊び方
- [3] 商品情報
木工と遊びのプロが手を組んで
『節句のつみき』は、日本の木を使っておもちゃをつくる「オークヴィレッジ」、そして、おもちゃや遊びを通して、木や地域文化に触れる体験を提供する「東京おもちゃ美術館」の協働によって生まれたおもちゃです。木という素材、そして遊びを通した学びや交流。それぞれが大切にしてきた価値観を持ち寄り、文化を日常に溶け込ませる新しいコンセプトの商品づくりが始まりました。
「誰でも楽しめる節句飾りを」
「子どもも大人も、性別も関係なく、自由な発想で楽しめる節句飾りを一緒につくりたい」——この言葉をきっかけに、『節句のつみき』の企画はスタートしました。3月は桃の節句飾りにひな人形、5月は端午の節句飾りに鯉のぼりや兜など、今も節句飾りは大切にされていますが、一方で「スペースがない」「出し入れが面倒」「子どもがいないと飾らない」など、飾らない選択をするご家庭も増えています。
現代の暮らしに寄り添うかたちへ
そこで現代の暮らしに合った、飾ることをもっと身近に楽しめるような節句飾りを目指し、外部デザイナーも加わり商品デザインからロゴマークに至るまで、試作と話し合いを何度も重ねながら、理想のかたちを模索していきました。


キーワードは「見立て」
関係者間で議論を重ねる中で、ひとつのキーワードが浮かび上がりました。それが「見立て」です。積木として子どもが自由に遊べること、そして節句の時期には飾りとして楽しめること——そんな“二つの顔”を持つおもちゃとして、『節句のつみき』はかたちづくられていきました。


木の魅力と遊び心をひとつに
『節句のつみき』には、オークヴィレッジが培ってきた木材へのこだわりと、東京おもちゃ美術館が大切にする「遊び」や「木育」の精神が詰まっています。節句の伝統を、遊びのなかで自然と感じられるような、やさしい存在になればと願っています。
3月は桃の節句飾りに、5月は端午の節句飾りとしても活用できる『節句のつみき』は、鯉のぼりや兜などの象徴を積み木で表現し、子どもたちが遊びながら日本の伝統文化に触れることができます。
『節句のつみき』の遊び方


