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蘇る飛騨の古民家
所 在 地:岐阜県
構造規模:木造平屋建て
延床面積:135.42㎡
蘇る飛騨の古民家

休日に畑を耕しながら暮らせる適当な土地を探していた若いご夫婦が、里山の麓に良い土地を見つけられ、家を建てたいとのご相談に来られました。その土地には、空家となっていた廃屋があり、当初はその建物を解体し、新しく家を建てる計画でした。土地の視察に伺ったところ、そこに建つ古い建物に強く心惹かれたのです。程よい大きさの典型的な飛騨の民家型をしていて、後ろの里山と相まって風情がありました。中に入ると、しっかりとした丸太梁と柱で木組みされた架構が見えました。柱は傾き、床は真面に歩けないほど歪んでいましたが、窓から見える里山の風景は心地良く、周りの畑と一体となった建主の望む家に蘇ると直感しました。
そこで、建替えではなく、古い建物を改修することを提案したのです。はじめは大変驚かれましたが、主旨を共感され、提案を快く受け入れていただきました。

明確な築年数は判りませんでしたが、前住人の話から70年以上前の建物であるようでした。水廻りなどで土台・柱が腐食していたり、地盤が下がっていたりと床の不陸がひどく、場所によって柱もかなり傾いていました。いざ改築を行うには、かなりの難工事であることが予想できました。けれども、伝統構法で造られた木造建築は、適切な処置を施せば、相当に傷みが激しい建物であっても再生が可能ですし、柱・壁の位置を変えることもできます。
仕上を取り払い、骨組みだけの状態にして、現代的な暮らしができるように間取りを組み換え、腐朽した材を交換し、耐震補強を施しました。

新しい住人が、この建物で30年暮らしたならば、100年以上使い続けることになります。
壊される寸前の廃屋に価値を見出し、貴重な伝統木造建築を次世代につなげる有意義な仕事になったと思います。