東京都心と檜原村を結ぶ幹線道路(檜原街道)沿いにある公衆トイレの建替えに伴い、設計の指名コンペが行われ、オークヴィレッジ木造建築研究所が担当させていただきました。
檜原村の玄関口にあり、多くの観光客が訪れるこの場所を「檜原村の新しいランドマーク」となるよう地域性や伝統文化が感じられるデザインでありながら、シンボリックな建物を目指しました。
檜原村のある奥多摩地区には兜づくりという特徴的な民家が残っています。その形をモチーフとし、山並みや村落のイメージにつながるように、建物の配置を分棟式としました。また、建物を道路に対して斜め(雁行)に配置することで、合掌のかたちと重なりがより印象的に見えるように考えました。
素材は檜原村産のヒノキ材を多用し、柱・梁・格子はもとより、屋根もヒノキの板葺きとしました。時間と共に風景に馴染みながら、檜原村のランドマークとなるように願っています。