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ジャン・リュック・ゴーダル
2016年07月13日 (水)

最近、大げさですけど音楽(主にポピュラーミュージック)、映画のジャンルで裾野が広がらないな~と。

 

映画に関しては、気になる映画はわりと多くはあるのですけど...

結局観る暇が無いです。

 

だからこれじゃいかんと思いつつ、OVの映画通といっても過言では無い某 市田君からですね、推薦を受けてですね、

いや、推薦をお願いしたのですけど。

 

久々に僕の中で新規な映画を観たわけです。(好きな、同じ映画を観るタチです。この前も北野武監督「ソナチネ」をもう何回も観ているのに、また観たりして。)

 

 

軽蔑:ジャン・リュック・ゴーダル監督:1963年:イタリア・フランス

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そう市田君からの推薦映画は幾つかあったのですけど、だけどゴーダル。

ゴーダル、知っているぞ、名前だけ。勝手な印象は「難解」。

 

感想としては...いや、その前にしごく大雑把な粗筋を。

(粗筋に大雑把と言う形容詞がついている時点で語義矛盾?つまりその程度の説明です。)

 

単なる男女のある関係性のモツレです。(あえて関係性です。恋と言った時点でバイアスがあると思います。)

 

そう他人の、そのモツレなんて、他人にとってはどうでも良い事。

当人たちがシリアスだとしても、嫌シリアスであればあるほど「笑い」そのものに近づいてゆく、と思ってしまうタチです。申し訳ないですけど...

 

だけどこの映画、ほぼほぼの人が身につまされる経験値を含んでいる、と思うのです。

(ネタばれになるのでストーリーは割愛。)

男女の気持ちの他愛ないモツレ。ちょっとのモツレ。だけど当の本人にとっては全然ちょっとじゃないのだよ、と。そこからズルズルズルズル横滑り。モツレを弁明、もしくはモツレの原因究明として言葉を重ねる→モツレのスパイラル≒破局→破局。

 

それが、断然魅力的な女優の立ち振る舞い、細かな表現、アッパーミドルな地位に入らんとしている背景、挿し絵的に挿入される-だから独立したビジュアルとして成り立ってしまうワンシーンーに脚色されて、ストーリーから独立した映像美-『映像のポエム』になってしまっていると思うのです。(映像のポエム:映画評論家淀川長治さんの言葉です。すごく素敵です!)

 

身につまされるストーリーと映像の美しさが、クロスオーバーして、映像のポエムになっちまった映画かなと。

 

つまり、それこそが映画!だと言わんとしているような映画。

 

ここで僕の勝手な印象である「難解」に対しての感想が無かった。

 

つまり、全てをほぼほぼセリフで説明しているのです。

(だから「難解」ではありませんでした。)

こう言った場合、鑑賞者に含み-余韻がなくなるので、端的に言えばつまらなくなると思うのです。が、この映画は真逆でした。

 

つまり、余韻があって、後を引く、何度でも観たくなる映画だと思うのです。

(実は核心的な部分-モツレの原因-は、女優のちょっとした表情から憶測するしかないのです。そこが余韻として漂うのかも。)

 

僕の映画の(映画の観方)の師匠は 北野武監督「ソナチネ」+淀川長治解説+雑誌による批評。

 

 

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ソナチネのストーリーは以下。

ある裏組織、所謂 何々組が、利権のねじれ関係に陥る。つまり上部組織より資金力が豊潤になってしまう故に上部組織の親分から、画策された沖縄の代理戦争に派遣される。

その沖縄でのストーリー。

 

この映画は、極端に説明としての描写を避けているのです。

もうネオ映像美といっても過言ではないくらいに。

 

予算からくるのでしょうが、バイオレンス映画なのに、派手な銃撃戦がない。

Ex)敵対組織の人間とホテルのエレベーターで鉢合わせ。エレベーター内での銃撃戦。

バイオレンスなジャンルとしては質素なその表現が、逆にリアリティーがあったりして。質素だけど、生々しいのです。

 

Ex)最後のシーンの銃撃戦も、そのものの場面を描写するのではなく、銃撃戦の、建物の天井に錯乱する閃光が、建物の窓を通して見える、さらに、その閃光が階下の屋外駐車場に錯乱する。そんな表現。

 

このような、多くを説明しない映画が僕の評価基準になっちゃった。

極端に言うとセリフ0でも映像美の連続で成り立つような...

 

ゴーダルの映画「軽蔑」も説明的ではあるけれども、映像の余韻がある。

 

ソナチネも、もしかしたらこの映画を踏襲したのかもしれない、と思うのは、内容がシリアスなのにメンタルな暗さ、悲壮感がないのです。映像の美しさがあるのみ、と言っても過言ではないかも、なのです。

僕的には。

 

そんな映画です。

両方ともお勧めです。

 

ではでは。

 

藤塚(設計監理)

 

 

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