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国家ブランド戦略-パブリック・ディプロマシー:日本リ・デザイン
2018年06月18日 (月)

先日ぼくのすきなサイトThe Sign Magazineと言うミュージックマガジンで以下の記事を読んでいました。

『鼎談:仲真史×照沼健太×田中宗一郎:20年続くブリットポップの後遺症から英国ロックは解放されるのか?』

http://thesignmagazine.com/sotd/uk-indie-2018-1/

ブリットポップは1990年初頭、イギリスはロンドン、マンチェスターを中心に興きたアンダーグラウンドなポップミューッジックのムーヴメントが、大きなうねりとなってメインストリームな音楽となったその総称の事で、このうねりはそのまま他のサヴカルチャーとクロスオーバーして行くのです。

 

クール・ブリタニア

そして音楽の他、映画、アート、ファッションまでをも含む世界が注目するムーヴメントとなり、所謂クール・ブリタニアという言葉で総称されるイギリス発のユースカルチャームーヴメントに結実します。

アートで言えば、ヤング・ブリティッシュ・アート:YBA(デミアン・ハーストが好き、と言うよりは、そのもって行き方が凄いです。現代と言うか、只今のアートの第一人者です。)

 

映画は、以前のブログでも書きましたが『トレイン・スポッティング』がその代表です。

この映画のサウンドトラックにはイギリス出身のテクノポップバンド、アンダーワールドの曲が収録されていて、このサウンドトラックで世界的に有名になります。サントラだけではなく映画のパンフレットを含む全てのアートワークもそれこそトータルクールデザインで、手がけたのはTOMATOと言う同じくロンドン発のデザイン集団です。

 

映画はこの他に、イギリス発の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、『フルモンティー』などが続きます。

 

ファッションについては当時よく把握してはいませんが(いや今も)、調べてみると、ジョン・ガリアーノ、オズワルド・ボーテング、アレキサンダー・マックイーンなどがその時代の代表的な存在らしいです。(ラグジュアリーブランドの顔ぶれと言った感じですが、ブリットポップの担い手=ブリットポップのバンドメンバーのファッションと同居していたのか?がちょっと分からないですが。つまりバンドメンバーのファッションは反ラグジュアリーなのです。そして今のファストファッションと絡めて掘り下げてみたら、面白そうです。ファストファッションはブランドの存在意義に対する問いだと思うから。)

それでこの鼎談では、このブリットポップというムーヴメントをイギリスのインディーミュージックシーンの大きな分岐点ととらえ、ブリットポップ以前、以降と言う視座に立つとシームレスで把握していない視点が見えてくるのではいか?と言う鼎談です。

 

が、

 

このブリットポップを含んだクール・ブリタニアと言う、世界が注目したムーヴメントは実はイギリス政府主導の国家ブランド戦略であったと言うくだりがあり、なかなかショッキングでした。ボトムアップではなく、お上によるトップダウンだったと言う事なので。(調べてみると結構知られている事らしいです。)

でも、イギリス政府主導と言いつつも、実は当時のブレア政権がこのユースカルチャームーヴメントをうまいこと取り込んでオヴァードライブさせて行った、と言う事らしいですが。

 

パブリック・ディプロマシー ∋ 国家ブランド戦略

以下『パブリック・ディプロマシー戦略:イメージを競う国家間ゲームにいかに勝利するか』から抜粋

 

自国の対外的な利益と目的の達成に資するべく、自国のプレゼンスを高め、イメージを向上させ、自国の理解を深めるよう、また、自国の重視する価値の普及を進めるよう、海外の個人及び組織と関係を構築し、対話を持ち、交流するなどの形で関わったり、多様なメディアを通じて情報を発信しりする活動。

 

海外の個人及び組織と関係を構築し、対話を持ち、交流する、と言う点で一昔まえの「プロパガンダ」と言う情報戦略とは一線を画すと言う事らしいです。

 

このパブリック・ディプロマシーと言う情報発信活動が各国で重要性を帯びる背景としては、スマートフォン、グーグル、ソーシャルメディアなどの、国境と言う枠組みを超えた情報の流れと速さと、誰でも到達可能な環境が整った事。その環境の下、アラブの春、9・11、3・11による福島原発の事故による風評などなど、と言った相互理解をもって取り組む必要性のある出来事が多く起こったことが背景としてあるようで、国家ブランド戦略もこのパブリック・ディプロマシーの一環と言う事です。

 

日本では、クールジャパンと言うフレーズをここ2~3年?良く聞きますが、内閣府の方針としてもあるようです。とは言え個人的な感想としては、本家本元のクール・ブリタニアのような大きなウネリ感は、正直ないな、と思うのですが、いかがでしょうか?

 

でもよくよく考えてみると当然なのかもしれません。と言うのも、ポップアート発祥の地はロンドンですし、世界的な建築家の、登竜門的な建築学校:AAスクール(Architectural Association School of Architecture:英国建築協会付属建築学校)もロンドンです。

 

AAスクール卒業の世界的な建築家は、わんさと居ます。つまり、新しい建築の在り方や、建築発の社会に対する問題構成(問いかけ、応答など)は、少なくともイギリスのフィルターがかかっている、と言っても大袈裟ではない、のかもしれないと言うことです。
だから、世界の文化を牽引する底力とか、それを実行にもってゆくシステムとか地盤のようなようなものの歴然とした差があるのかもしれません。

 

ちなみに内閣府のコンセプトによると、

『クールジャパンは、外国人がクールととらえる日本固有の魅力(アニメ、マンガ、ゲーム等のコンテンツ、ファッション、食、伝統文化、デザイン、ロボットや環境技術など)。』

と言う事らしいです。外国人がどこまでクール、ととらえるかはちょっと疑問の範疇ですが、特に伝統文化を今の時代のフィルターを通してリ・デザインする、という試みは、素敵な事だと思います。そう理解しています。

 

ここで、ふ と振り返って、

オークヴィレッジの建築って?、伝統のリ・デザイン

伝統木造建築による構法を踏襲しつつ、そこにたち現れる空間を踏襲しつつ、一方でモダン建築やそれ以降の建築スタイルを意識しつつ、また、ライフスタイルやライフステージ、または個人のライフワークとどう折り合いをつけてクロスオーバーさせて行くか?と言う点で日本固有の魅力を今の時代のフィルターを通してリ・デザインしているのだなと。

 

また、設計・施工のみではなく材料から仕入れを行い、木材資源の永続的な循環利用を目指している。

 

さらに、スクラップ アンド ビルド住宅とは当然一線を画し、30年のうちにその資産価値が加速度的に枯渇する建築物は供給せず、資産としても価値の在る建物を供給している。(が、その価値を評価する制度は今のところ確立されてなく、従って不動産市場もリノベだ、コンバージョンだと言いつつ、国の政策転換とは裏腹に、それによりお金が劇的にフローして行く状況でも無いのが今の状況、かなと思いつつ。)こちらも、評価制度を確立しつつ、国内向けの、いや世界都市ランキングを意識してパブリック・ディプロマシーをするべき?なんて事を思うのでした。

 

The Sign Magazine

話を最初に戻して、このThe Sign Magazineの鼎談では、同じロンドンでもサウスロンドンが、只今のイギリスインディーミュージックシーンの震源地で期待したいところだと言う事です。それでこのThe Sign Magazineでは、年間アルバムベスト50なんて企画をやっていてくれています。独自視点で。(時代はどうやらネット定額制によるストリーミング時代に移行しているようで... それでもCDと言うパッケージングで年間ベストを企画するのが、また好きです。)

http://thesignmagazine.com/features/50-best-albums-of-2017/

 

凄いと思います、この年間アルバムベスト50と言う企画はフリーですから。タダで閲覧できます。5年でくくって本にして、さらにこの5年間のベストアルバムと、それ以降を俯瞰する、なんて事を企画としてやって、本として販売して欲しいです。

 

そう、それでこの2017ベストアルバム50にサウスロンドンから『THE BIG MOON』というバンドを8位にエントリーさせています。

まだ聴き倒してないですが、聴いてみると、オアシス、ブラー以降のリバティーンズ、それ以降のケイジャン・ダンスパーティーなどをどことなく雰囲気として踏襲しているようで。(移行の仕方が結構な端折り方ですが、上記は全てバンド名です。)

僕はミーハーなので(もはや存在しない語か?)、2015?以降、世界のポップミュージックシーンは所謂ラップミュージックに移行していて、昨年、今年あたりがもしかしたら頂点のMIGOS、KENDRICK LAMARを聴き倒しています。

 

そこからするとこのTHE BIG MOONと言うバンドはなかなか、ラップミュージック全盛のカウンターになるのかも、なんて思って聴いています。

 

The Sign Magazine⇒クール・ブリタニア⇒日本リ・デザイン⇒サウスロンドンインディーミュージックシーン⇒サブカルチャー、ユースカルチャーから国家ブランド戦略俯瞰してみる、と言う展開でした。

長くなりましたが、

ではでは。

藤塚(設計監理)

 

(シリーズ:建築+【 X 】:その mix up を考える。はこちら  )

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