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木の建築スケッチ6:吉島家住宅その3
2018年02月16日 (金)

 

吉島家住宅その3です。

 

今回は階段をあがり2階の一番奥の座敷にいってみましょう。

 

ここで見ることができるのはとっても珍しい「藤の床柱」。
「藤」でつくられているだけあって、
もう「ここまでねじるか」というくらいねじれています。

 

根元のほうを見ると長い年月をかけて動いたからでしょうか、
床框との隙間が大きくあいています。
今にも動き出しそうなその姿を見ればさもありなん。

 

建築を生業とする身にとってはなかなか難しい仕事だなあと思いながら一方で、
「おお、生きているじゃないか」と妙にうれしくなったりもします。

 

ここまで主張の強い材を使うと全体として「浮いてしまい」、
非常にバランスを欠いてしまうことも多いのですが、
この床柱はそうではありません。
螺旋を描きながら上昇していく木理(※もくり)や鮮やかな光沢は
部屋となじみながら同時に艶かしさも備えているように見えます。

 

なぜでしょう。
とても不思議です。

 

水平垂直がきちっとした空間に適度な
「遊び」の要素を設けると
「場」がとてもなごむことがあり、
時としてこのように色気を放つことさえあります。

 

自分の居場所を見事に得たこの床柱を見ながら、
今一度、それらの理由や木の使い方についてじっくり考えてみたいと思っています。
※木理(もくり)
立体的にみてとらえた細胞の並び方や配列をいいます。
通直木理や旋回木理(螺旋木理)、
斜走木理、交錯木理(交走木理)、波状木理などがあります。
これに対して、「木目」というのは伐った材面(平面)の模様をいいます。

 

 

秋山(設計監理)

-新WEBサイト以前のブログを再掲-

 

(シリーズ「木の建築スケッチ」 はこちら ↓)

木の建築スケッチ1:板倉と棚田

木の建築スケッチ2:法隆寺妻室

木の建築スケッチ3:東大寺南大門

木の建築スケッチ4:吉島家住宅その1

木の建築スケッチ5:吉島家住宅その2

木の建築スケッチ6:吉島家住宅その3

木の建築スケッチ10:松本家住宅その1