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木の建築スケッチ3:東大寺南大門
2017年11月13日 (月)

奈良といえば大仏、大仏といえば東大寺。

 

もう説明不要の奈良の大仏様ですが、この「大仏殿」のほど近くに
私をずっと強く引きつけるお気に入りの木造建築が建っています。
それが今回ご紹介する「東大寺南大門」です。

 

修学旅行で行ったという方も多いのではないでしょうか。
両脇にある見事な仁王像を鑑賞した後、さらっと大仏殿の方へ向かうのがほぼ定番のコース。
ですが私の場合、この南大門の中央で一度立ち止まり、ジーッと上を見るのが楽しみのひとつとなっています。

 

 

お気づきの通り、天井がありません。上までその構造が見通せてしまいます。
これは「大仏様(だいぶつよう)」という建築様式で、貫などの横架材が柱を貫通して縦横に組み上げられるのが特徴です。「魅せる構造」といってもいいでしょう。

 

私はいつ訪れてもこの柱と貫が織り成す空間の美しさと緊張感にとても心奪われます。
深遠の淵を覗き見る・・というか不思議な世界に引き込まれる、そんな感覚でしょうか。
同じ大きさの貫が同じ高さで柱を直交する様子は、一見、何ともないように見えるかもしれませんが、
実は表からはわからないように太い柱の孔の中で複雑な「継手」が交錯しています。
ピンと張りつめたこの空気は、このようなディテールからつくりだされているのかもしれません。

 

 

建物内部の貫は、外部の挿肘木(さしひじき)と一体となり何段も重なることによって長大な軒を支え、
内部と外部、構造と意匠が密接に関連しあっています。
これが鎌倉時代創建当時のまま残っているとは、あらためて木造のすごさを感じずにはいられません。
なにしろ歴史で習った「いいくにつくろう」の時代ですから。

 

運慶、快慶たちがたった69日で完成させたという仁王像。
この2体の木像に睨まれつつ、そしてせんべいをねだる鹿たちに背中をつつかれつつ、この小宇宙を感じてみるものいいものではないでしょうか。

 

 

秋山(設計監理)

-新WEBサイト以前のブログを再掲-

 

木の建築スケッチシリーズはこちら

木の建築スケッチ1:板倉と棚田

木の建築スケッチ2:法隆寺妻室

木の建築スケッチ3:東大寺南大門

木の建築スケッチ10:松本家住宅その1