トップページ  >  ブログ  >  スタッフブログ  >  木の建築スケッチ1:板倉と棚田
木の建築スケッチ1:板倉と棚田
2017年10月09日 (月)

この日本には魅力的な「木の建築」がたくさんありますが、みなさんは何を思い浮かべますか。
ここでは私がこれまでに訪れて特に印象に残ったものを、スケッチを使ってご紹介していきたいと思っています。木の建築の良さや面白さが少しでも伝わればうれしいです。

 

まず今回ご紹介するのは、飛騨宮川の「板倉と棚田」。
国道の脇道からグングンと斜面を駆け上がり、パッと視界が広がったところにそれはあります。遥か下に宮川を望むその場所は、まさに「天空の里」ともいうべきところ。石積みの棚田の上に小さな木造の建物「板倉」が点在しているその光景はとても印象的でありますし、また驚きでもあります。

 

 

 

この「板倉」、もともと食料など大切なものを保管するためのもので、母屋とはかなり離れて建っているのが特徴です。万が一、母屋で火事があっても一緒に被害にあわないように考えられているのですが、それがとてもいい距離感を生んでいます。

 

現在残っている板倉の棟数が住戸数よりも多いのは、「住む家を壊すことがあっても倉だけは守れ」という言い伝えがあってのこととか。事情があって住居は壊しても板倉は残す・・・精神的にも大切な存在になっていることがうかがえます。それではググッと「板倉」に近寄ってみましょう。

 

 

ヨイショヨイショと坂を登りながら見上げますと、石垣の上に凛とした姿を見せてくれます。小さくてもなかなか堂々としていませんか。さらに近寄って見ますと・・・

 

 

 

「貫」という材が柱を貫通して鳥かご状に組まれ、その間に板がはめ込まれている様子が分かります。床下には少し空間があり、湿気がこもらないよう外気が通りやすくもなっています。大きな石の基礎の上に木で組まれた建物がドンとのっているその姿は、なんとも味わい深く、木の建築の面白さをよく伝えてくれているように思えます。

 

ミョウガの産地でもあるこの山里、ご興味のある方は是非足をお運びください。

 

 

秋山(設計監理)

-新WEBサイト以前のブログを再掲-

 

(シリーズ「木の建築スケッチ」 はこちら ↓)

木の建築スケッチ1:板倉と棚田

木の建築スケッチ2:法隆寺妻室

木の建築スケッチ3:東大寺南大門

木の建築スケッチ4:吉島家住宅その1

木の建築スケッチ10:松本家住宅その1