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Champuru Impressions:カルチャーから建築まで
2016年12月06日 (火)

むむ、ブログ当番だった。しかし、何を書こうかしら。

と言う事で、今まで読んだ本の感想をごった煮スープ的に=チャンプルー的に羅列、と言う事で…

全てお勧めです。あくまで僕的に。

 

 

美術

 

観察者の系譜―視覚空間の変容とモダニティ(以文叢書)

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視覚すると言う事に関しての知のパラダイムがスライドしていく様を、カメラ・オブスキュラ(カメラの全身)を視座として俯瞰する。すると、スレテレオタイプな美術史 とはまた違った断層がたち現れてくる。そんな本だと思います。始めは読み辛らかったけど慣れてくるとなかなかエキセントリックで楽しかった。この著者の次の本『知覚の宙吊り』も読みたくなった。だけど500ペー ジもあるみたい!

 

 

カルチャー

 

デジタルシティ―渋谷 「QFRONT」プロジェクトへの思索 

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渋谷界隈の街の構造。そこに住む人、訪れる人の動向。そしてその当時の総体としての人の ニーズと動向。Q-frontがフィ ルターとなってそれが露わにされる。多分今でもほぼほぼその サーベイは妥当だろと思う。その的確なコンセプトに圧倒される。

が結局は、販売する、取り扱い物品のセレクションのセンスなのだよな~と。

その種明かしは当たり前だ けどしていない。いずれにせよ浜野安弘のコンセプトのもって行き方は相当魅力的だ!

 

BRUTUS (ブルータス) 20114/15

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糸井重里の「気付きって凄い!って事を実感する!

そりゃそうですよね。でなきゃ『おいしい生活』なんてコピー出てこない。

『いまのキミはピカピ カに光って』とか。視点が三次元的な角度って感でしょうか?時代の気分を一行で翻訳しちゃう。もはやアーティストの領域。

 

 

ミュージック

 

snoozer (スヌーザー) 200804月号 

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snoozerはポピュラーミュージックにおける良質の『目利き』だったわけです。

しかし休刊に…(もうだいぶたちますけど)

1955年からのロック、 ファンク、テクノ、サンプリングミュージックを、そのアーティストの名盤ではなく、ファーストアルバムにて紹介する。名盤ではなくて、ファース トアルバムと言うところが面白い視点だな~と。だから、時系列で俯瞰できるわけですね。例えばあるバンド以前、以降みたいに。単なるガイドブックの範疇を越えていると思うのでした。

 

スカー・ティッシュ―アンソ ニー・キーディス自伝

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レッド・ホット・チリペッパーズと言うもはや老舗バンドのフロントマン、ヴォーカルの自伝。

all or nothing01か。いやいやマイナスか?そんな感想。バンド形式でラップミュージックを歌う。ラップミュージックはサンプリングミュージックだけど、サンプリングせずオリジナルなメロディーラインを演奏する。当時としては、いや、時代がグル リと回って今また革新的?そんな革新をリアルタイムで体現しているにもかかわらず、フロントマンのアンソニー・キーディスはシラフ(素面)で生きる事が苦難となっている。(麻薬中毒と言うこと。)

1を得てマイナスになったのだ。だからこそ世間に対して説得力がある?

 

 

小説

 

トレインスポッティング(角川文庫)

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イングランドのはけ口のない若者の、他愛ないストーリー。

小説を読むと映画はかなりポップ仕立てなのだなと。

ポップで、リズム良く飽きさせない。パンフからサントラのジャケと選曲。申し分なかった。対して小説はかなりリアルに描いてるのかもしれない。イングランドは、結構な階級社会でプロレタリアートじゃとてもシラフにゃ生きてけないよって?だからその苦しみの裏返しであるブリティッシュロックは今でも輝いているし、156年前はアートの重心はイングランドだった (YBA)。いやいや、そもそも ポップアート発祥の地はロンドンですし。(リチャード・ハミル トン)

そして表紙のユアン・マクレイガーが若い!

 

白夜行(集英社文庫

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随分前に読んで、内容はうろ覚え。全体として暗いトーンだった。主人公はこの場合2人と言って良いのか?光と影のような関係。その主人公の心情が描かれていないのが特徴の小説だと、巻末の、所謂解説にそう書かれていたと思う、成る程、と。その心情は状況証拠的な『残り香』で描写され、その『残り香』を頼りにストーリー を俯瞰するしかない。それが一 気に収斂していくのが圧巻の小説だったと記憶している。そして、これも一つの『愛』の形 か?と思った。暗いストーリー だが、そこに救いのような物を感じたのでした。

 

 

建築、都市

 

錯乱のニューヨーク(ちくま学芸文庫

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土地売買の合理性を主目的に敷設された2028個のグリッド、それがマンハッタンを覆っている。そこには古代都市のグリッドに対するイデアの残り香すらない、と。そしてグリッドは等価故に『必要とされる差異』は『高さ』へと回収されて行く

摩天楼誕生。そしてその 『高さ』はさらに、『圧縮=過密』と『分裂』にスライドして行く。建築個々は分裂の様相を呈しているが、都市としては自己組織化臨界をウロウロと…= 自律している。それがマンハッタンと言う事らしい

 

街並みの美学(同時代ライブラリー

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西洋の街並みには美学がある、と言うのが前提されている。そこを手繰っていくと大きなファ クターとして建物(住まい)の内と外に対する概念の違いが西洋と日本とに存在すると。それはそれぞれの行動様式によって露わにされている=住まいに入るのに靴を脱ぐか脱がないか…と言う具合に経験として認識できる事を根拠に論が進められる。だから建築の学術体系として大きな位置をしめているのに読み物として非常に刺激的で 面白いのです。お勧めです。

 

Any:建築と哲学をめぐるセッ ション―19912008

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近代建築もそろそろ行き詰まって、そのカウンターが要求されてきた1960年代。そこから時代がくだって90年代。その30年間 がany会議の出席者により俯瞰され、さらにそれ以降が論議される。その俯瞰-要約の仕方が 明快なので建築を中心とした時代の系譜をザックリと知るにはうってつけの本。ザックリと言っても磯崎新がその30年を牽引してきた張本人だし、浅田彰、柄谷行人が居るので思想の世界の系譜をbackup、だからきめが細かくて生々しい。ここを入口にその系譜をトレースするには良い手引きとなる本だと思います。

きりの良い10冊と言う事で。

ではでは

 

藤塚 (設計監理)

 

 

(シリーズ 藤塚WORLD はこちら↓)

安藤忠雄 展

家|future perspective

住宅政策とライフ&ステージ

T2:トレインスポッティング2

ニューアルバム:レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

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コルビュジェ発 思考実験の旅

ジャン・リュック・ゴーダル

フランク・ゲーリー展